はいさい!今日は出掛けたけどとんでもない目に合ったツバサさー。
風が強過ぎて怖い怖い(´・ω・`)
雲の色を調節して完成。
亡国のイージス 上・下巻セット (講談社文庫) 『亡国のイージス』を読み終わったので感想を書いていきたい。
実は1週間ほど前に読み終わっていたんだけど、
絵の完成を待ってから描こうと思ってね、書かずに置いたんだ。
~あらすじ~
卒業を間近に備えた防衛大生・宮津隆史は未だに「国を守る」という事に明確な答えを見出せずにいた。
そこで彼は『亡国の盾(イージス)』という論文をネット上に公開する。
しかし、公開して暫くしてから宮津隆史は事故死してしまう。
だがその事故は不自然な事故でありそこから全ての物語が始まる。
事故死から暫くして宮津隆史の父である宮津弘隆は、
最新鋭のシステム「ミニ・イージスシステム」を搭載した護衛艦「いそかぜ」の艦長職を拝命し、
「いそかぜ」に乗り込む事になるが、彼もまた単なる艦長としてではなく、
ある目的があり今回の航海に臨んでいた。
視点は変わり「いそかぜ」の先任伍長である仙石恒史は、
「ミニ・イージスシステム」習熟の為に、
指導をする立場として新しく乗り組みを命じられた如月行と出会う。
無口で人付き合いをしない彼を仙石は気にしつつも、
絵という共通点があると知り、更に周りの乗組員達との交流で如月と距離を縮めていく。
距離を縮めて行く事に少しずつではあるが成功するが、
艦内で起きたある事件を切っ掛けに如月は機関室を占拠。
爆発物を仕掛け艦を爆沈させると宣言する。
如月が北朝鮮の工作員であると聞かされた仙石は、
機関室に単身乗り込み如月の説得に当たるが……。
果たして、如月の正体とは、宮津艦長の目的とは、「いそかぜ」の運命は。
人、国家、思い、その全てが導き出す物語の行方は……。
※この先はネタバレがあるので注意あらすじと言ったけど、今回のあらすじは長くなってしまった。
本当ならもっと書かないといけないんだけど、
あまり長すぎるのもどうかと思ったから主要人物だけ書き出してみた。
「いそかぜ」が占拠されて日本に牙を向くというのが、
この『亡国のイージス』なんだけど、単なる戦闘に主眼を置いた戦記小説というよりは、
人に主眼を置いた小説だったと思った。
この小説に出てくる主要人物たちは誰しも悩みを抱え、
或いは過去にあった何かを抱えているんだよね。
自衛官が反乱を起こすというと国防に主眼を置いた作品だと思うかもしれないけど、
やはりこれは人の物語、人がどう進んでいくかの物語だと思う。
先任伍長の仙石は妻から別居を申し込まれていたり、
護衛艦勤務をしているとはいえ、仕事にも家庭にも自身にも心に虚無感を抱えていたりするのね。
立派な人間とは程遠い、人間くさい人物であるのね。
そんな仙石が如月行と出会う事で、自分自身とも向き合っていき答えを見つけていく。
一番感情移入が出来る人物だったかな。
行に「生き甲斐があるから生きていける」と知らず知らずの内に、
心から言葉を紡いでいくシーンはよかった。
行も行で過去に父親をある理由から殺害してしまっていて、
それが理由で日本の特殊工作員として生きているんだけど、
人間味がないだけに最初は取っ付きにくい人物なのね。
でも仙石を始め、菊政や田所と交流していく内に封印していた感情が出て来て、
徐々に工作員としての920(行のコードネーム)としてではなく、如月行として変わっていく。
戸惑いながらも人間味を取り戻していく彼の姿は、
一人の青年、一人の人間としての姿を取り戻していくのが、
この物語の魅力の一つであるし、素晴らしいところでもある。
本当なら宮津艦長や阿久津艦長、ホ・ヨンファ等の他の人物達の事も書きたいけど、
やっぱり、この物語のメインは仙石と行だと思うから、
今回は二人をピックアップして書いてみた。
ちなみに今回の絵は『亡国のイージス』のラストシーンを書いたものなのね。
手前にいるのは仙石と行なの。
手を振っているのが仙石で右にいるのが行。
最終的には「いそかぜ」は行の仕掛けた爆弾で爆沈するんだけど、
死んだと思っていた行が生きてると知った仙石が会いに行くのね。
そこで感動の再会を果たすんだけど、
丁度夕日が出ている海の遠くに護衛艦が航行しているのが見えて仙石が手を振り始めるのね。
行はこんなに離れていて分かる訳ないだろうと言うんだけど、
仙石は行の言葉も気にせずに手を振り続けるのね。
それで行も仕方ないなといった風に、自分も手を振り始めるんだけど、
そのシーンが一番良かったと思ったから今回の絵に描き起こしてみた。
「いそかぜ」で二人が出会って、様々な事があって沢山の人が死んで、
でも、生きているからこそまた二人は再会できて。
そうやって人は前にも進んでいけるし、生きてもいける。
だから、今回は二人が出るラストシーンを描きたくなった。
生き甲斐(`・ω・´)
読んで頂きありがとうございました!
福井 晴敏
講談社
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